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行徳地震前兆観測プロジェクト/LAIカップリング 

               最終更新2006/12/27    

1.LAIカップリング探査とは

・地震発生を短期的に予測していくために最近重要になっている概念に、LAIカップリングの解明というものがあります。
これは、「Lithosphere:地圏、Atmosphere:気圏、Ionosphere:電離圏で起きている現象が相互に関連している」という考え方にもとづきます。特に、地震発生の前駆的現象として大気や電離圏に影響が及んでいるという観測事実が近年多数報告されてきています。 LAIカップリングの理論については定説というものがなく、アイデアがそれぞれ提案されている段階であり、観測についても地圏・気圏・電離圏がばらばらに観測されているのみで、総合的・相補的な役割をして地震予測に役立っている状況にはありません。

・これまでも、微小地震観測で地震活動度(特に空白域)を調べたり、微動の出現などで地震発生を予測しようとする試みはあったものの圧倒的なマンパワー・計算機パワーが不足していたのでできなかったものと思われます。
Hi-netなどはデータ提供業務が多忙で日本列島の個々の地域の地震活動のチェックまではできない現状です。
そこで今後は気圏・電離圏などの異常情報とリンクさせて、地圏の異常もある程度絞って効率的にチェックすることも可能かと思います。このミッションでは、Hi-net・F-net・GPS(電離層擾乱、地殻変動)など多くの観測点を常時観測して異常をみつけるという根気強い作業を行っていきます。

・当ミッションを通して地震災害軽滅に貢献したいという方の協力・参加を広く求めます。
ご連絡はgyotokudata@yahoo.co.jp(行徳地震前兆観測プロジェクト)までお願いいたします。

2.LAIカップリング探査ミッション概要
監視項目 データ取得手段(主にリアルタイムのデータ提供先)
地圏 微小地震活動 Hi-net(防災科研) F-net(防災科研) GPS(国土地理院、海上保安庁)
気圏 大気重力波
大気イオン濃度
衛星画像による大気重力波検出(JAXA、東北大他)
大気イオン濃度(e-pisco)
電離圏
E層電子密度
イオノグラム(通総研)
HRO(全国のHRO観測サイト)
電通大VHF帯電波観測  行徳VHF帯電波観測
その他 電場・電波状態 水文水質データベース欠測(国土交通省)
地電流データ(気象庁 個人サイト)


3.ミッション進捗状況

2005/6/12 Hi-net連続波形監視(人の目によるチェック) スタート
2005/6/27 Hi-net1分値監視 スタート(gbd氏サイト内)
2006/7/15 F-net1分値監視 スタート(gbd氏サイト内)
2007/8月  GPS連続データ解析 スタート(gbd氏サイト内)

■ GPS変動計算を扱った協力サイトのコンテンツを見ていく際の注意点 ■
     gbd氏提供のGPS変動計算

 国土地理院や海上保安庁がインターネットで一般公開しているGPS測位の生データ(RINEXファイル)から、実際の地面の変動を計算するには、いくつかのステップがあり、詳しい精密計算は国土地理院などの専門機関が数ヶ月先に発表する資料をご参照ください。

 行徳地震前兆観測プロジェクトでは公開速度を優先するために、地面変動の簡易計算を行っています。これを今、”みかけ変位”と名付けます。このみかけ変位の計算には、電子航法研究所の坂井氏のプログラムを使っています。その理由は以下です。
 1.電子航法研究所でGPS測位に関して研究しているプロの研究者により書かれたプログラムであること。
 2.プログラムがインターネット上から無料でダウンロードし使用できること。
 3.プログラムの関連書籍が出版されており、使い方の解説が書かれていること。

 ただし、坂井氏のプログラムでは磁気緯度を使った簡易補正しか行わなっていないため、電離層の突発的な電子密度変化による遅延効果を取り込んでいません。現在の測位技術の精密計算では、衛星軌道情報の補正を重ね、電離層遅延や大気遅延の影響も最小限に抑え、mm単位の誤差までに縮めることが可能となっています。しかし、本プロジェクトはリアルタイム性を重視しますので、衛星軌道データを初期公開のもので計算し、軌道誤差も補正していません。したがって、みかけ変位が、数十cmに達することがあり、現在、業務で使われているDGPSの精度は出ていませんので、その点はあくまで”相対的なみかけ変位(前の日の状態とどう違うかをクイックルックする)”という意味でご覧いただきたいと思います。例えば、以下の図で、みかけ変位の単位はmになっていて、みかけ変位が50cmほどの振幅を持っていますが、実際に地面がそれだけの振幅をもって移動しているわけではなく、あくまで簡易計算結果での”みかけの値”です。



 逆に言うと、このことを利用して、電離層の電子密度変化を即時的に捕らえられる可能性もあると考えています。つまり、簡易計算では電子密度変化影響を取り除けないため、その変動分がみかけ変位に影響を与えていると解釈すれば、これらは電離層の状態をみているともとれます。

 いずれにせよ、本プロジェクトでの即時的計算は、あくまで、過去と現在とを相対的に比較していき、変動の予兆を察知することを目的としていることをご理解いただき、データの解釈などについては閲覧者の自己責任でお願いいたします。
(2008.5.29記)

■なぜ、速報データを使って処理を行っているのか?■
 GPS測地の精度をあげるには大規模な演算、そして演算を支えるハードウエアとソフトウエアが必要です。日本国内において、こうした事業をルーチンで行うことができるのは、気象庁や国土地理院といった政府機関でないと不可能かと思われます。
 気象庁がレーダー網をはりめぐらせ、そのリアルタイムな状況をネットで配信し、納税者である国民が見ることができるように、近い将来、どこかの国家機関が、毎日の地殻変動の様子の詳細を高い精度でなるべくリアルタイムに公開することをのぞみます。

 しかし、現時点で、そうしたシステムがない以上、誰かがそれを行い、最低限の安全確保に向けて監視の目を光らせていなくてはならないと考えています。 われわれのプロジェクトでは、限られた自己資産・人材で運用しているため、高精度のデータ処理や全国の観測点を網羅することは不可能です。しかし、できるぎりぎりの精度で、なるべく速報的に、かつ継続して行うことに重点を置いていますので、ご使用になられる方は、その点、ご配慮下さいますよう、お願いいたします。(2008.6.5記)

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